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【早く希望の光を〜iPS細胞の実用化〜】
昨年の11月、京都大学・山中伸弥教授のiPS細胞の樹立のニュースが、大きく報じられたのを覚えていますか?
その夜のテレビはどこのチャンネルを見ても、山中教授がインタビューに応じている姿が映し出されていましたよね。
このiPS細胞を巡る世界的な動向が、今、立て続けに注目されています。
なぜならiPS細胞は、再生医療を大きく前進させる可能性を秘めているからです。
また、以前DNAに記録されたヒトの全遺伝情報を機械で読み取る構想(ヒトゲノム)において、日本の研究者が提案したにも関わらず、国としての支援が遅れた結果、米国企業が読み取り装置を先行して開発し、日本の貢献度はわずか6%にとどまったと言うことがありました。
この教訓を生かして、昨年の11月以降、iPS細胞を巡る政府の対応は異例の早さで次々に支援策を決定しています。
2008年度予算の財務省原案内示で、文部科学省の徳永保・研究振興局長は再生医療研究支援の概算要求額(15億円)の増額を求めました。
そして、大臣折衝を経て20億円が予算化された事を受けて、
「30年以上役人をやっているが、財務省査定で予算が増えたのは記憶にない」
とコメントしました。
時を同じくして、
iPS細胞でパーキンソン病に似た状態になったラットの症状を緩和する実験に、米マサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究チームが成功したニュースや、バイエル薬品(大阪市)がiPS細胞を、人の皮膚から作製するのに成功したニュースも飛び込んで来ました。
日本でもアメリカでもいい、政府や企業の力を借りてもいい、
世界中の生物学者達が研究に打ち込み、iPS細胞の一日も早い実用化に向けて、全力を注いで欲しいと思います。
多くの遺伝性の病気の患者にとって、希望の光であることは間違いないのですから。
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