カテゴリー: 質的研究

  • 半構造化面接と半構造化インタビューは同義。

    先日、大学院生の方からご連絡が。

    修論の準備として、複数の方にインタビューを計画しているとのこと。

     
    そこで以下のお話が出てきました。

    院生「インタビューガイドを作ってインタビューする予定です」
    当社「いいですね!インタビューガイドの作成は進んでいますか?」
    院生「はい、少しずつですが。ところで、このインタビューって半構造化面接ですよね?」
    当社「そうですよ」
    院生「ほかに半構造化インタビューというものもあるようなんですが、違いってなんですか?」
    当社「同じです。半構造化面接を言い換えたのが、半構造化インタビューです」
    院生「そうでしたか!照」

     
    そうなのです。

    半構造化面接と半構造化インタビューは同義なのです。

     
    なんとなく「面接」と付いたほうが重厚感があり、「インタビュー」と付くとポップな感じがしますが、まったくもって一緒の意味です。

     
    何が素晴らしいって、大学院生の方の、未来を感じるその前向きな気持ちたるや。

    いい論文を書いてください!

     
     

    半構造化面接(インタビュー) 文字起こし

    半構造化インタビュー 文字起こし+コード化・カテゴリー化

  • インタビューガイドの土台作りのこと

    以下のページで、インタビューガイドの土台作りについて、当社の経験則から少し触れています。

    看護研究 インタビューガイド 作り方「土台作り」

     
    論文の内容とそれに基づいたインタビューの目的を明確にしておくこと、それがインタビューガイド作りの土台になります

    というお話なのですが、

    言葉で言うと簡単に見えますが、実際のところ、論文の作成過程(あるいは作成に入る前)の段階で、論文内容を明確にするのは難しいことです。

    それに比べますと、インタビューの目的を明確にしておくことは比較的容易かもしれませんが、それでも、論文の内容(ストーリー)が明らかになっていませんと、インタビューの目的も定まりづらいですしね。

     
    いっぽうでは、質問項目を決め打ちし過ぎると、インタビュー自体が狭小化してしまいますので、そのあたりは柔軟性を持つことも重要です。

     
    研究者の方のみならず、大学院生の方にお読みいただいて参考にしていただければ嬉しいです。

  • インタビュー 質問項目の作り方

    以下の内容を公開しました。

    質的研究 質問項目。テーマとの関連が大切
    https://www.osaka-p.com/blog/328/

    質的研究における質問項目の重要性と作り方について述べています。

     
    インタビューテーマとの関連性については、皆さん無意識に意識していらっしゃる(おお、哲学的だ)と思いますが、両者に距離ができてしまうとややこしくなるため、注意が必要です。

    質問項目の作り方の内容については、the chicken or the eggの観点から述べています。

     
    よろしければご覧ください。

  • 看護研究 インタビューの方法

    下記で、看護研究のインタビューの方法について、お伝えしています。

     
    質的研究 インタビュー コツ「座談会にしてはいけない」
    https://www.osaka-p.com/blog/314/

    複数人へのインタビューの場合、座談会にしてはいけない。
    インタビューにしなければならない。
    というお話です。

    「はいどうぞお話しください」と言ってフリートークを促すことと、統制をとってインタビューとして機能させるのとでは、得られる情報にかなりの差が出ます。

    インタビュー前の研究者の方、必見です!

  • p値~その仮説が有意かどうかの評価~

    p値~その仮説が有意かどうかの評価~

    統計的仮説検定は、ある仮説が統計的に有意(信頼できる)かどうかを評価するための方法の一つです。

    ここでキーポイントとなるのが「p値」という概念です。

     
    p値とは、具体的には

    帰無仮説(基本的には何も変化がない、もしくは特別なことが起きていないという仮説)が真であるとした場合に、実際に観察されたデータ、あるいはそれよりも極端なデータが得られる確率

    を表します。

    pは、probability(たぶんね。ではなく確率)の頭文字。
    ちなみに上の画像はピーチです。

     
    このp値が小さいほど、帰無仮説が真であるとは考えにくくなります。

     
    例えば、サイコロ振りの実験を考えてみましょう。帰無仮説として「このサイコロはフェアである(つまり、1~6が出る確率は等しい)」を設定します。しかし、100回投げて40回、1が出たとします。とても多いです。この結果はフェアなサイコロからは予想外のものです。そこで、このデータに基づいてp値を計算します。p値が例えば0.02(2%)だったとすると、これは「フェアなサイコロを投げて、40回以上1が出る確率は2%である」と解釈します。

    この2%という数字は非常に小さいため、「フェアなサイコロからこれほど表が多く出ることはほとんどあり得ない」と結論づけるかもしれません。これが、p値を用いて帰無仮説を棄却(つまり、否定)するというプロセスです。

     
    一般的には、p値が0.05(5%)以下の場合に帰無仮説を棄却します。これは一種の慣習で、厳密な根拠があるわけではありません。つまり、p値のしきい値は研究の目的や状況によって異なる場合があります。

    なお、p値が小さいからといって、その結果が「大事」あるいは「実用的」であるとは限らないということも覚えておいてください。p値はあくまで帰無仮説が真である確率を示すもので、研究の結果が実世界で意味を持つかどうかは別問題です。

     
    ふつうに、簡単な確率のお話なのに、
    どうしてp値とか妙に難しい言い回しをするんだろう?

    確かに「p値」や「帰無仮説」といった専門的な用語は初めて聞く人にとっては難しく感じるかもしれません。これには、統計学が科学的な研究やデータ分析の中で重要な役割を果たすため、特定の概念を正確に表現する必要があるからです。

    たとえば、「p値」は、特定の仮説がデータに対してどの程度適合しているかを数値的に示すための手段です。それは「信頼性の高い」または「信頼性の低い」仮説と言うよりも、具体的な確率で表現することで、より厳密かつ客観的な判断が可能になります。

    また、専門的な用語は一種の「専門家同士の言語」でもあります。同じ専門領域の人々がコミュニケーションを取る際、その領域の概念や理論を厳密に理解し、高度に正確な議論を行うために必要なのです。このような用語を使うことで、理解の歪みを最小限に抑え、効率的に情報を伝達できます。

     

    看護研究 カテゴリー化のやり方
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