2023/08/14
今回は、テープ起こしの技術的なことで、とても大切なお話です。
「テープ起こし」というと、なんとなく、音声を聞いてそれを文章化する仕事のように聞こえます。
字面(じづら)としては「音声を聞いて、それを文章化する」に違いないのですが、この「音声を聞いて」を「soundを聴いて」と捉えると、原稿の精度としては非常に低いものになります。
たとえば、音楽を聴くとき、ラジオからたまたま流れてきた曲がかっこよくて口ずさんでも、実際は正確な歌詞は分からないと思います。
より分かりやすく言いますと、誰でも知っている洋楽、なんでしょう、誰でも知っている洋楽。Wham!の「Last Christmas」にしましょう。クリスマスシーズンになると、どこからともなく聞こえてくる、胸がきゅんとなるあの名曲です。「ラースクリスマス、アイゲイビュマイハー♪」です。
この曲のことをよく知っていて、クリスマスシーズンに聞こえてくると胸がきゅんとしますが、では歌詞をすべて理解しているかというとそうではありません。(まあ英語と言うのもありますが)
これが「soundを聴く」という行為です。
「soundを聴く」という行為は、好きな音楽を聴くぶんにはいいのですが、テープ起こし業務においては適切ではありません。
優れた原稿を作成するためには、
話されている内容を理解することが必要
になります。
たとえば、会議に登場しているAさんは、
こういった立場で話しているなあ
どうやらこういった内容を話しているなあ
今、このことについて話しているなあ
といったものです。
こういったことを理解しようとすることで、Aさんの発言を正確に原稿にすることができます。
反対を言いますと、Aさんの発言を正しく理解しないと、それを文章化したところで、間違えることが多く発生してしまいます。
以前、「テープ起こし業務はタイピングのお仕事じゃないですよ」とお伝えしましたが、
テープ起こしは、反射神経の作業ではなく、内容を理解する知的業務である、というのが大きな理由です。
ここからが、もっとも大切なお話です。
内容を理解すれば、正確な原稿を作成することができるのですが、問題は「内容を理解できるかどうか」です。
話している内容を理解するためには、現時点での、テープ起こしの担当者としての、地頭(ぢあたま)の良さや学識が必要です。
平たく言いますと、話している内容を理解するためには、「そこそこ頭が良くないといけない」という身も蓋もないお話です。
「じゃあ私には無理だ、別に取り立てて頭がいいわけじゃないし」
とお思いになるのは早いです!
地頭(ぢあたま)の良さや学識をどれだけ持っているかなんて、自分では分かりません。当社で、これまで採用活動を行なっている中で感じるのは、自身の地頭(ぢあたま)の良さや学識に気がついていらっしゃらない方が多いんです。
有名な大学の出身だからといって、地頭(ぢあたま)がいいとは限りませんし、学識なんて、どの大学の卒業生であっても、どんな会社にお勤めであっても、学び得ようという意欲がないまま今日(こんにち)に至っていれば、スッカスカなんですから。
「私にできるかなあ」
と不安に思っていても、いざフタを開けてみると、ものすごくテープ起こし業務に向いている、つまり、地頭(ぢあたま)の良さや学識を有している方が多いです。
「私にできるかなあ」
は、いつの間にか、
「私、できるやんか」(関西弁ver.)
になるんです、不思議なもので。
その意味で、テープ起こし業務は、特別なスキルを有していなくても(元々、そんなものはありませんし)、できる人にはできて、できない人にはできないという、なんとも向き不向きが分かりやすい業務になっています。
それと最後に、「文章を読んだり書いたりするのが好き」「原稿作成が好き」という強い気持ちは、地頭(ぢあたま)の良さと同等のものであり、それによって学識はすぐにたくさん持つことができる、ということも付け加えておきたいと思います。
ここまでお読みいただきますと、ご自身がご応募するに足る方であるかどうか、判断ができるのではないかなあと思います。
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