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ライフストーリーのインタビューの参考例を見てみました。

time 2020/08/22

ライフストーリーのインタビューの参考例を見てみました。

昨日、ライフストーリーのインタビューの文字起こしについて、お問い合わせをいただきました。

お客様は心理学の研究領域の方で、今回は質的研究の素材づくりのために、ライフストーリーのインタビューの文字起こしが必要とのことです。

 
お客様はテープ起こしを依頼するのは今回が初めてだったようで、文章化の仕方を迷っていらっしゃったようです。

 
研究の素材のライフストーリーのインタビューの場合、ケバ取りがお勧めです。

ケバ取りテープ起こし
「ケバ」と呼ばれるそれ自体意味を持たない言葉を文章化せず、それ以外は話したままを文章化するもの

 

お客様は、「よく分らないので、こんな感じで作ってほしいんです」と、参考として、何かの書籍またはレポートのライフストーリーのインタビューの文章の作り方が書かれたページをスキャンしてお送りいただきました。

 
その参考例を見て、少し気になりました。

 
と言うのも発言全体が整えられていて読みやすく、それはインタビューの文字起こしというよりも、「読みもの」になっているように感じました。

読みやすいということは、元の発言にかなり手を加えているはずです。

 
手を加えると、話のニュアンスが変わってしまいます。たとえば、

「あれは、ほんっとに美味しいですね。ねえ」
「あれはとても美味しいです」

このように、後者は前者に比べて読みやすくなっているものの、前者にあった感情がなくなることで、ニュアンスが変わってしまっています。(前者より美味しさが減退しているように見えます)

 
この種の質的研究のためのインタビューの難しさ(長くなるのでここでは端折ります。ここに詳しくかつ理解しやすく書かれています 私のライフストーリー論 https://storys.jp/story/8045)もありますし、ニュアンスが変わるのは良くないと思いますが、言語学ではないので、インタビューイが言ったことが変わっていなければいいんでしょうかね。

お客様が送ってくださった例は、その道で著名な学者さんが書いているようですので、それはそれでいいのかなとも思います。

 
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