2023/08/14
統計的仮説検定は、ある仮説が統計的に有意(信頼できる)かどうかを評価するための方法の一つです。
ここでキーポイントとなるのが「p値」という概念です。
p値とは、具体的には
帰無仮説(基本的には何も変化がない、もしくは特別なことが起きていないという仮説)が真であるとした場合に、実際に観察されたデータ、あるいはそれよりも極端なデータが得られる確率
を表します。
pは、probability(たぶんね。ではなく確率)の頭文字。
ちなみに上の画像はピーチです。
このp値が小さいほど、帰無仮説が真であるとは考えにくくなります。
例えば、サイコロ振りの実験を考えてみましょう。帰無仮説として「このサイコロはフェアである(つまり、1~6が出る確率は等しい)」を設定します。しかし、100回投げて40回、1が出たとします。とても多いです。この結果はフェアなサイコロからは予想外のものです。そこで、このデータに基づいてp値を計算します。p値が例えば0.02(2%)だったとすると、これは「フェアなサイコロを投げて、40回以上1が出る確率は2%である」と解釈します。
この2%という数字は非常に小さいため、「フェアなサイコロからこれほど表が多く出ることはほとんどあり得ない」と結論づけるかもしれません。これが、p値を用いて帰無仮説を棄却(つまり、否定)するというプロセスです。
一般的には、p値が0.05(5%)以下の場合に帰無仮説を棄却します。これは一種の慣習で、厳密な根拠があるわけではありません。つまり、p値のしきい値は研究の目的や状況によって異なる場合があります。
なお、p値が小さいからといって、その結果が「大事」あるいは「実用的」であるとは限らないということも覚えておいてください。p値はあくまで帰無仮説が真である確率を示すもので、研究の結果が実世界で意味を持つかどうかは別問題です。
ふつうに、簡単な確率のお話なのに、
どうしてp値とか妙に難しい言い回しをするんだろう?
確かに「p値」や「帰無仮説」といった専門的な用語は初めて聞く人にとっては難しく感じるかもしれません。これには、統計学が科学的な研究やデータ分析の中で重要な役割を果たすため、特定の概念を正確に表現する必要があるからです。
たとえば、「p値」は、特定の仮説がデータに対してどの程度適合しているかを数値的に示すための手段です。それは「信頼性の高い」または「信頼性の低い」仮説と言うよりも、具体的な確率で表現することで、より厳密かつ客観的な判断が可能になります。
また、専門的な用語は一種の「専門家同士の言語」でもあります。同じ専門領域の人々がコミュニケーションを取る際、その領域の概念や理論を厳密に理解し、高度に正確な議論を行うために必要なのです。このような用語を使うことで、理解の歪みを最小限に抑え、効率的に情報を伝達できます。
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